@アルファトマム・リゾート

実いうと、かなり落ち込んでた。信太郎を相手にやってても、あつをばこばこに掘ってても、なにか燃え上がるものがない。隣のベッドでテツがひろゆきを、ソファではたいちが信太郎と絡んでても、エロエロな気分が相乗効果が起きず、途中で中折れした。
「オレがこれで出て行っちゃったら、あつが独りぼっちになっちゃうね」
「そんなこと気にしないでください」

優しい言葉に感謝して、ひとり、ジャグジーに身をゆだねてた。
「あんまりキマってない」

とあつも来た。
こんなときに話す内容じゃないんだろうけど、ここんとこの、オレの状態を話した。
大阪から帰って来て以来、躁鬱が激しくなってきてる。仕事も忙しく、毎日耳から脳みそが出そうなくらい。システムの要件定義をしているからなんだけど。
目も疲れてるし、なによりも気力が失せてる。ヤリてーーって気分が微妙。なんのために、ウケのケツん中にマラ突っ込んでるんだかさえもわからない。かなり重症だってことは自分で分かってる。
みんながヤっている中にいれば、そんな気分も一蹴!と、思っていたが、そんなにお気楽なものではなかったようだ。

しょげててもみんなの迷惑になるから、自分の部屋に戻り、ワインを開けて、テレビ観たりしてた。そのうち信太郎がやってきた。二人で飲み屋の雰囲気に。
「bar しんたろうね」
なんて言いながら、入れ替わり立ち代わり、ヤリ部屋から休憩しに来るみんなと話し込んでたりした。気づけばタチ3人が飲んでて、
「今頃、レズプレイでもやってるんだろか」
なんて噂しながら(笑)。

「やっぱヤってきまーーす」
と、薬がまだ効いているたいちが去った。もうオレはすっかり飲みモードになってしまってて、しかも三便宝は酒を飲んでしまうと効き目がなくなると聞いていたから、今夜はもう寝ちゃおうと思ってたところに、あつがふらっとやってきた。

たわいのない話をしていたはずなのに、どうだ、オレのマラは反応をしだしちまった。なんて言うんだろ、やっぱりこいつとじっくりとヤりたい。そう思ったんだろうか。
いや。そうじゃない。昨夜から、他の2人のタチに廻されて、
「気持ちいい、気持ちいい」
の連発で感じまくっていたあつに、こんちくしょー、と思っていたのは確かだ。お前を一番感じさせることができるのはオレなはずだ、と奴に対する復讐心と、他ふたりへの対抗心が頭を、マラをもたげてきた。

半ば拉致するかのように、今日寝る部屋のダブルベッドに連行。バスローブをあわただしく脱ぎ捨て、めっちゃ愛した。以前のように、ころっころめまぐるしく体位を変え、あつに息つかせる暇もなく掘り倒した。
「こうすれば感じるのは知ってる。それを知っているのはオレだけだよな。オレが一番だよな」
「オレの前でだけ、「気持ちいい」と言えよ」
子供だよな、オレ。一番でなきゃイヤなんだな。気づかないうちに、無意識に自ら自尊心を傷つけ、自ら自己嫌悪に陥り、それで相手の気をひこうとしている。やだやだ、と思いながらも、自分では仕方ないとあきらめている。そんなことを感じたSEXだった。

でも、この、あつとのSEXはめちゃめちゃ感じた。イケないかも、とも思っていたが、最後はがむしゃらに、盛大に掘りながらイった。あつは、何度も腸壁を膨張させて、ガン掘りの中、絶頂に達していた。

臥伏位でねちねち掘っていた時、他の人たちが何人かベッドルームのドアを開けたようだったが、雰囲気に察したのか恐れたのか、見てはいけない、って感じですぐに閉めて中には入ってこなかった。さんきゅう。

乱交が目的なのに、まずい行動を取ってしまった。ごめんなさい、と謝ります。
でも気づいた。みんなで一部屋に入り乱れてヤリあうという乱交もあるだろう。けど、時と場合によっては、例えば、各部屋にタチがいて、ウケひとりづつが夜這いのように訪れる方法もありかと。
乱交って一言、ヤリなれているかどうか、による。ヤッテる最中はいろんなものが目に映る。好都合となることもあるだろうし、悪影響になることもありうる。それを今回気づいた。SEXって、ウケは足広げてケツ突き出し、タチはぎんぎんに勃たせたものを突っ込む。でもそれだけじゃないんだなあ。自分が気持ちよくなればいいんじゃなくて、相手も気持ちよくなって欲しいと努力するのももちろん大事。

文字通り、ばたんきゅうだった。オレの部屋は、あつと信太郎と同室だったんだが、信太郎がいつ戻ってきたかさえ分からなかった。